「人工知能は人間を超えるか」を読んだ

はじめに

G検定の試験対策として、「人工知能は人間を超えるか」を読んだ。

人工知能とは

人工知能の定義

人工知能の定義は明確に定まっていないが、本の筆者は「人工的に作られた人間のような知能」と定義している。
単純な制御を行うプログラムであっても「人工知能」と称してしまえばそれは人工知能である。

人工知能ブームはこれまでに3度到来しており、現在は第3次AIブームの真っ只中である。
それまでには技術的な問題によって冬の時代を越してきた。

第1次AIブーム

第1次AIブームは1950年代後半~1960年代である。
この時代は「推論・探索」の時代と呼ばれた。
推論とは人間の思考過程を記号によって表現し実行するものであるが、処理としては探索に近い。

探索のやり方として、探索木と呼ばれるものがある。
これは、場合分けを木の枝のように表すものである。
探索木を実際に探索していくには、幅優先探索深さ優先探索がある。

幅優先の場合、ゴールまで最短距離でたどり着く解が必ず見つかるが、探索の途中過程をすべて記憶していかなければならないので、メモリが多く必要になる。
深さ優先の場合、必要なメモリは少なく済むが、必ずしも最短距離が見つからない。

探索木や迷路問題などであればよいが、将棋や囲碁の場合パターンが非常に多く存在するため、通用しない。

この時代のAIは簡単な問題「トイ・プロブレム」しか解けないとして、冬の時代を迎えることになる。

第2次AIブーム

第2次AIブームは1980年代~1995年代である。
この時代は「知識」の時代と呼ばれた。
専門知識を取り込ませ、推論を行うことで、専門家のように振る舞うことができる。
これを「エキスパート・システム」と呼ぶ。

知識を取り込ませる方法として「意味ネットワーク」がある。
これは概念をノードで表し、関連する概念をノード同士で結び、ネットワーク化するのである。
しかし人間の持つ一般常識を取り込むには膨大で非常に時間がかかる。

知識を取り込むこと自体が難しいことがわかると、それ自体を研究する動きが生まれた。
これを「オントロジー研究」と呼ぶ。

オントロジー研究には、ヘビーウェイト・オントロジーとライトウェイト・オントロジーに分けられる。
ヘビーはしっかり取り込み、ライトはとにかく使えればよいという考え方である。

しかし結局意味まではAIが理解することができず、壁にぶつかることになる。
これは「知識獲得のボトルネック」と呼ばれる。

「フレーム問題」という問題も発見された。
これは問題を解くために必要な条件の要不要を切り分けることができない問題である。

さらに「シンボルグラウンディング問題」という問題もある。
これは「シマシマ」などといったシンボルを表す言葉を理解できない問題である。

結局これらの問題の解決には膨大な時間を必要とし、再び冬の時代を迎えるのである。

第3次AIブーム

ディープラーニングが生まれるまで

第3次AIブームは2010年代~現在である。

この時代は「機械学習」という研究が進められた。
機械学習とは、「分け方」を自動的に習得する技術である。

機械学習には教師あり学習教師なし学習強化学習に大別される。
教師あり学習とはその名の通り、入力値とその目標値が与えられ、その関係を学習する。
教師なし学習とは、入力値のみが与えられ、学習をしながらその値の中に存在する一定のパターンを抽出する。
強化学習は試行を繰り返し、より価値の高い行動を学習する。

しかし何を特徴量とするかは人間が決めないといけなかった。

ディープラーニングが生まれたあと

ニューラルネットワークという技術が生まれた。
これは人間の脳神経を信号が伝わっていく様子を数学的に模したものである。
このニューラルネットワークを使用した機械学習ディープラーニングと呼ぶ。

ディープラーニングによって、画像分類や時系列データから特徴を抽出することも可能になった。
ディープラーニングはデータを基に、人間が特徴を決めるのではなく、コンピュータが特徴量を作り出す。
コンピュータはデータの相関関係を見ることで、勝手に特徴量を生成することができるようになった。

今後の進展

専門家の間では、2つの意見がある。
・一時的な流行に過ぎない
・特徴を表現できるようになったことで、人工知能の限界を凌駕した
本の筆者は後者の立場をとっている。
私も後者であってほしいと思っている。

まとめ

人工知能は私が生まれる前から、ブームと冬の時代を交互に発展してきた。
現在はディープラーニングが生まれ、より高度な実装ができるようになり、
人工知能が社会に溶け込み始めている。

引き続き、私も人工知能が今後どのように発展をしていくのか注目していきたい。